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20世紀初頭に強い相互影響を保ちながら成立した現象学と分析哲学は、言語や論理、心といった共通のテーマを扱いつつも、全く違った発展の経路をたどってきた。クワイン以降、分析哲学の一部が自然主義に舵を切り、経験科学の成果を取り込んでいったのに対して、現象学の主流は、その基礎を築いたフッサールがとった反自然主義的立場を堅持している。ギャラガー&ザハヴィの『現象学的な心: 心の哲学と認知科学入門』(石原孝二他訳、勁草書房)は、近年著しく発展している心の科学(神経科学・心理学・認知科学)の成果を取り入れながら、分析的な心の哲学と対決し、新しい現象学を作ろうとする野心的な書物である。この合評会では、ギャラガー&ザハヴィが扱っている三つの分野、現象学・心の哲学・心の科学、それぞれを専門とする研究者からのコメントを手掛かりに、参加者とともに議論することで、新しい現象学の可能性や射程を考えていきたい。