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このページは、酒井泰斗が2014年秋から開始した非常勤講師(社会学史ほか)の お仕事について紹介するものです。
2014年秋講義:概要
本講義では「行動科学と人間のモデル」をサブタイトルとして、主として20世紀前半の社会学の歴史をあつかう。
しばしば「現在の社会学は多様だ」と言われるが、それらが基づいているもの・批判しているものの方は それほど多様ではなく、その主要部分は20世紀中葉の北米で創出されたものである。本講義では、三つの主題(小集団、広告と選挙、組織)に絞った研究紹介を行うが、これらの研究主題は、ものである。この不思議な事態の把握は学生諸氏による今後の自主学習に見通しを与えてくれるはずである。
- 行動科学の立ち上げに貢献し
- そこで開発された手法は現在でも用いられているにもかかわらず
- 現在では社会学の領域からほぼ消えている
学習目標
- 大陸の社会学説を摂取しつつ、それを心理学と人類学の技術・発想の助けを借りて経験的に確かめようとするところから行動科学的な社会学は始まった。
- 人間(の集団)に対して測定・計量、モデル構築・数理的定式化、理論的一般化などなどを行うために、どのような実際的な工夫や考察が必要であったかを理解することが講義の目標である。
オリエンテーション | |
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セクション1:工場の研究 | 工場における小集団の研究(人間関係論)、クルト・レヴィン、ジョージ・ホーマンズ |
セクション2:広告と投票の研究 | 広告の受け手における小集団の研究(ポール・ラザーズフェルド) |
セクション3:組織の研究 | 官僚制と企業組織における小集団の研究(マートン学派のマックス・ウェーバー批判) |
講義の回顧 |
導入: 社会学とはなんだったのか1 | 社会学はどう見られてきたか |
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行動科学運動の勃興と顛末 | アメリカ国立科学財団計画とフォード財団行動科学プログラム |
行動科学前史①工場の研究 | ウォーナー 〔ハーバード大学→シカゴ大学〕 |
行動科学前史②選挙とマスコミの研究 | ラザーズフェルド 〔コロンビア大学〕 |
行動科学前史③組織の研究 | マートン学派 〔コロンビア大学〕 |
総括: 社会学とはなんだったのか2 | 社会学はどうなってしまったのか |
講義概要
- 科学、知識、マスコミ、逸脱、人種、都市とコミュニティ、組織と官僚制、専門職、医学教育、理論と方法、調査論などなど、ロバート・キング・マートンは極めて幅広いテーマについて仕事をし、確立期のアメリカ社会学に大きく貢献しました。本講義では、これらテーマのうちから4つほどを取り上げ、
を確認することで、20世紀アメリカ社会学史の一側面を描いてみます。
- マートンが検討したもの
- マートン自身の見解
- マートンに対する批判
- マートンの主要な仕事は彼自身の手によって『社会理論と社会構造』という論文集にまとめられています。講義でも主としてこれを使います。[版元目次]
学習目標
- マートンの文章は明快ですが、論文集の分量は邦訳で600頁を超えます。この水準の内容・分量の本を前にしたとき、「このくらいなら読める」と思えるかどうかは、「大学で4年間何かを学んだ」と自信を持って言えるための一つの目安になるでしょう。本講義を手がかりに各自でも、卒業までに ぜひ取り組んでみてください。
- 各講義に関連する章を指示しますので、各回受講前後に内容を確認してください。
講義概要
- 講義目標と講義計画:
- エスノメソドロジー・会話分析の研究者たちが分析技術の訓練と議論の場としてきたデータセッションに倣い、受講生が持ち寄った様々なタイプの資料を「一緒に観る」ことで分析の訓練をおこなう。
- 受講生が持参した資料・データについて、「この資料が残されることになったのはどのような活動によってか」「そこで何が行われているのか/それは如何にして可能なのか」といったシンプルな問いのもとで、参加者全員で資料を観ながら、当該資料・データから飛躍なしに言えることは何かを検討します。
- 教科書・参考書
- 前田泰樹ほか編(2007)『ワードマップ エスノメソドロジー』新曜社
- 串田秀也・平本 毅・林 誠(2017)『会話分析入門』 勁草書房
- 平本 毅ほか編(2018)『会話分析の広がり』、ひつじ書房
- 酒井泰斗ほか編(2009)『概念分析の社会学:社会的経験と人間の科学』、ナカニシヤ出版
- この講読講義には二つの目標がある。
- A. 「アメリカの学問」としての社会学を学ぶ際には、アメリカ文化の知識も重要な鍵となる。前期の講読講義では「自己啓発のアメリカ」をテーマとし、社会学という学問を反省的に捉えるための知識を獲得しよう。
- なお、後期の 社会学史講義のテーマは「差別と暴力のアメリカ」である。
- B. 通常の講読講義では 与えられたテクストの内容を理解し要約できる ことを一つの目標にするが、「要約」はふつう思われているよりもずっと難しい技能である。この講義では、その手前でまず、「同じテクストを他人といっしょに読む」ための作法の習得を目指そう。
- この二つの目標を達成するために、この講義では、自己啓発に関する ①歴史・風俗誌、②学問的研究、③古典 のテクスト群から毎回一つずつのテクストを選び、各回に取り上げるテクスト それぞれの性格に即したやり方 で、手順を踏んだワークで手を動かしながらテクストを読む訓練をおこなう。
グループA:歴史・風俗
- 森本あんり(2006/2019)『キリスト教でたどるアメリカ史』角川書店
- マーチン・ラーソン(1987→1990)『ニューソート:その系譜と現代的意義』日本教文社
- 尾崎俊介(2016)「アメリカにおける「自己啓発本」の系譜」
- 栗田英彦ほか編(2019)『近現代日本の民間精神療法:不可視なエネルギーの諸相』 国書刊行会
- バーバラ・エーレンライク(2009→2010)『ポジティブ病の国、アメリカ』
- 速水健朗(2008)『自分探しが止まらない』ソフトバンククリエイティブ
- 漆原直行(2012)『ビジネス書を読んでもデキる人にはなれない』マイナビ新書
- 谷本真由美(2013)『キャリアポルノは人生の無駄だ』朝日選書
グループB:社会学的研究 グループC:古典
- 小池靖(2007)『セラピー文化の社会学』勁草書房
- 牧野智和(2012)『自己啓発の時代』勁草書房
- 増田泰子(2000)「高度経済成長期における「自己啓発」概念の成立」など
- エマーソン(1841)『自己信頼』 ・マーデン(1894)『前進あるのみ』 ・マルフォード(1889)『思考は物である』 ・トライン(1897)『無限者に調子を合わせて』 ・アレン(1902)『原因と結果の法則』
- アトキンソン(1906)『引き寄せの法則』
- ワトルズ(1910)『富を引き寄せる科学的法則』
- カーネギー(1936)『人を動かす』
- ヒル(1937)『思考は現実化する』 ・ピール(1952)『積極的考え方の力』
- マルツ(1960)『サイコ・サイバネティクス』
- マーフィ(1963)『眠りながら成功する』など。
当初依頼を受けた2014年度秋学期の講義は 前任者の異動にともなう一度限りのものであり、いまのところ2015年度以降の講義予定はありません。←ありました。
下記の条件のもとであれば
講義依頼をお引き受けでき(る場合があり)ます。
上半期 | 下半期 | 夏期集中講義 | 冬期集中講義 | その他 | |
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2023年度 | {内諾済}専門書購読[港区] {内諾済}社会調査法[文京区] |
{内諾済}社会学史[港区] | |||
2022年度 | 東京大学情報学環
明治学院大学社会学部「社会科学のためのデータセッション実習」 木曜6限(18:45-20:30) 「専門書講読:自己啓発のアメリカ」 月曜6限(18:25-19:55) |
社会学史[港区] | |||
2021年度 | 東京大学情報学環
明治学院大学社会学部「社会科学のためのデータセッション実習」 木曜6限(18:45-20:30) 「専門書講読:自己啓発のアメリカ」 月曜6限(18:25-19:55) |
明治学院大学社会学部 「現代の社会学:ロバート・マートンと20世紀アメリカ社会学」 月曜6限(18:25-19:55) |
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2020年度 | 東京大学情報学環 「社会科学のためのデータセッション実習」 木曜6限(18:45-20:30) |
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2019年度 | 東京大学情報学環 「社会科学のためのデータセッション実習」 月曜6限(18:45-20:30) |
明治学院大学社会学部 「現代の社会学:ロバート・マートンと20世紀アメリカ社会学」 月曜6限(18:25-19:55) |
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2018年度 | 東京大学(社会を指向する芸術のためのアートマネジメント育成事業) 「芸術・芸術批評と言葉」 |
明治学院大学社会学部 「現代の社会学:ロバート・マートンと20世紀アメリカ社会学」 月曜6限(18:25-19:55) |
- | - | 2018年5月26日 瀬戸内哲学研究会 「現象学的アプローチの諸相」 講演「現象学者たちとの対話のために」 (於 岡山大学) |
2017年度 | - | 明治学院大学社会学部 「現代の社会学:ロバート・マートンと20世紀アメリカ社会学」 月曜6限(18:25-19:55) |
- | 2017年5月27日 環境理工学群セミナー 「理工学のフロンティア」 講演「技術の社会学」 (於 高知工科大学) |
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2016年度 | - | - | - | - | - |
2015年度 | - | 東京大学情報学環 「社会情報学基礎:行動科学とアメリカ社会学」 木曜6限 |
- | - | 2016年3月 組織エスノグラフィ研究会 講演 「組織を研究するとは何をすることなのか」 (於 新潟青陵大学) |
2014年度 | - | 明治学院大学社会学部 「現代の社会学:行動科学と人間のモデル」 金曜6限 |
- | - | 2014年11月・12月 朝日カルチャーセンター新宿 講義 「独学者のための社会学入門」 |
歓迎しません。 事前にお申し込みいただいた方にのみ ひっそりと認めます。受講を希望される方は、事前に 下記項目を記したメールを 宛に お送りください。
記載事項 | ||
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1 | 氏名 | 漢字+フリガナ |
2 | メールアドレス | Google Groups に登録してよいメールアカウント。 |
3 | 所属 | |
4 | 自己紹介 | 研究領域、関心領域など。(※この内容は、講義ML参加者に共有されます) |
講義に関する連絡は、講義参加者のための「現代の社会学メーリングリスト」にて行ないます。このMLは、連絡だけでなく、受講者同士のディスカッションのためにも利用する予定です。