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作成:20141226 更新:20141230
この頁には、2014年11月と12月に、朝日カルチャーセンター新宿にて開催した「独学者のための社会学入門」講義の概要と質疑応答の模様を掲載する予定です。
独学者のための社会学入門
- 講師 酒井泰斗(ルーマン・フォーラム管理人)
- 開催日: 11/27(木)、12/25(木)
- 受講料: 会員 6,048円 一般 7,344円 学生 2,160円
- 申込み: [終了しています]
社会学は、外延も核も茫洋としていて、独学者にとっては特にアクセスの難しい学問の一つであるように思います。とはいえ、現在の社会学は、基本的には20世紀中葉の北米において作られたものであり、その革新は、大陸の社会学説を摂取しつつ、それを心理学や人類学の発想と技法の助けを借りて経験的に確かめようとするところから始まりました。そしてまた現在の社会学の多様性も、おおむね「これらの継承発展-と-それに対する反発」という軸におけるバリエーションとして捉えることができるように思います。したがって、この時期の議論を知っておくと社会学にアクセスしようとする際に役に立つでしょう。(講師 記)
【概要】
この講義では、上述の観点から、当時の北米社会学において重要だった幾つかの研究主題(小集団、広告、選挙、組織など)から二つ程度を選んで解説します。これらは、
- 北米における社会学の立ち上げに貢献し、
- そこで開発された手法は現在でも用いられているにもかかわらず
- 現在では社会学の領域からほぼ消えている
ものです。この不思議な事態について、事例を見ながら検討することで、社会学とは何だったのかについて みなさんと考えてみたいと思います。
出発点にして背景となるトピックの幾つか:
- なぜアメリカ人たちにとって「コミュニケーション」という言葉が格別に重要だったのか。
- なぜアメリカ人たちは「社会秩序」を問題としたのか。この言葉の意味しているものは何だったのか。
- 心理学・人類学などとの学際的協力関係と財団からの予算獲得。
- 20世紀中葉の社会学のトレンドにおいて、タルコット・パーソンズはどのような位置にあったのか。
などなど。
これまで戦後のアメリカ哲学の分析哲学化の歴史は、亡命してきたウィーン学派の哲学がアメリカに根付いていく過程として語られてきた。その構図自体は基本的には間違っていない。しかし、それだけではない。ひとつに、アメリカにおける分析哲学の興隆は、二十世紀中盤の数理的行動科学運動の一部として見た方がいい。また、学問制度の変化もあったと、著者は書いている。
しかも、その典型的な人物の一人がドナルド・デイヴィドソンなのだと。
本論文では、上のような動きを見るために、いわずとしれた分析哲学のクラシックである、デイヴィドソンの1963年の「行為・理由・原因」とその前後が詳しく語られている。